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AXとは?生成AI時代に求められるDX人材と企業変革リーダー育成のポイント

企業のDX推進が進む中で、「システムは導入したものの成果につながらない」「生成AIを導入したが、現場で十分に活用されていない」といった課題を感じている企業は少なくありません。

こうした背景から注目されているのが、AX(AI Transformation:AIトランスフォーメーション)という考え方です。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)では、AXを「AIの学習による業務自動化を通じてDXを実現し、業務内容・プロセス・ビジネスモデルをAI前提で変革する取り組み」と整理しています。
出典:https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/tbl5kb0000004yuf-att/aiws2_20250619_opening_Saitou.pdf

ただし、AXはDXに取って代わる新しい概念ではありません。DXが目指してきた「企業や事業の変革」という目的は変わらず、生成AIの登場によって、その実現手段が大きく広がったと捉える方が自然です。

つまり、DXをやめてAXに移るのではありません。DXの目的を実現するために、AIという強力な手段を取り込み、企業変革をより速く、より深く進めていく。その考え方がAXです。

本記事では、AXの基本的な考え方から、DXとの関係、生成AI時代に求められるDX人材の役割、そして企業変革を実行するリーダー育成の考え方までを解説します。

AXとは?生成AI時代に注目される理由

AXとは、AIを活用して業務効率化にとどまらず、業務プロセス、意思決定、顧客価値、ビジネスモデルまで変革していく考え方です。

生成AIの普及によって、AIは一部の専門家に限らず、広く使われるようになりました。文章作成、要約、議事録作成、顧客対応、企画立案、データ分析など、日常業務のさまざまな場面で活用できるようになっています。

しかし、AXは単に生成AIツールを導入することではなく、重要なのは、AIを活用して何を変えるのかです。

例えば、営業部門であれば、AIを使って提案資料を作るだけでは不十分です。顧客情報や商談履歴をもとに、どの顧客に、どのタイミングで、どのような提案を行うべきかを考え、営業活動そのものを高度化することが重要です。

人事部門であれば、AIで文章を作成したり、研修資料をまとめたりするだけではありません。社員のスキル、経験、評価、キャリア志向をもとに、誰をどのように育成し、どのポジションで活躍してもらうかを考えることが求められます。

企画・管理部門であれば、市場情報、社内データ、顧客の声を整理し、次の打ち手を検討するための材料としてAIを活用することが重要です。

このように、AXの本質は「AIを使うこと」ではなく、「AIを活用して業務や事業のあり方を変えること」にあります。

DXとAXは何が違うのか

AXという言葉を見ると、「DXの次に来るもの」と考える人もいるかもしれません。しかし、DXとAXは対立する概念ではありません。どちらも目的は企業変革です。

DXとは、デジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを変革し、企業の競争力を高める取り組みです。一方、AXは、DXが目指してきた企業変革をAIの力によって加速・高度化する考え方です。

項目DXAX
目的企業変革企業変革
主な手段デジタル技術・データ活用デジタル技術・データ活用・AI活用
主な論点業務改革、データ活用、顧客接点の変革意思決定支援、価値創出、業務・事業の高度化
人の役割変革を企画・推進するAIを活用しながら変革を設計・実行する
よくある誤解IT化・システム導入AIツールの導入

つまり、DXとAXの違いは「目的」ではなく「手段の広がり」にあります。DXの目的は変わらず、「企業や事業を変革すること」です。

そこに生成AIという新しい手段が加わったことで、企業はDXの進め方そのものを見直す必要が出てきました。この文脈で登場しているのがAXです。

したがって、AXとは「DXの次に来る別物」というよりも、「生成AI時代に進化したDXの考え方」と捉えると理解しやすくなります。

なぜ生成AIを導入しても企業変革につながらないのか

生成AIの導入は、以前に比べて容易になりました。ツールを契約し、社内ルールを整備し、研修を実施すれば、多くの企業で一定の利用は始められます。

しかし、AI導入と企業変革は異なります。実際には、生成AIを導入しても、しばらくすると利用者が一部の社員に限られてしまうケースがあります。資料作成や要約には使われているものの、業務プロセスや意思決定の仕組みは変わっていないという状態です。

よくあるのは、次のようなパターンです。

・生成AIの利用ルールは整備したが、管理職が自分の業務で使っていない
・若手や一部の担当者は使っているが、事業部門全体の業務設計には反映されていない
・PoCでは成果が出たが、業務フローやKPIが変わっていない
・AIで効率化した時間を、顧客理解や事業企画に再投資できていない
・AI活用がDX推進部門やIT部門の施策として扱われ、事業責任者のテーマになっていない

ここに、AX推進が止まる本質的な理由があります。AIを導入することはできる。しかし、AIを活用して何を変えるのかを決められない。AIで生まれた時間や情報を、どのように顧客価値や事業成長につなげるのかを設計できない。

この状態では、AI活用は個人の業務効率化にとどまり、企業変革に繋がりにくいと言えます。

パソナデジタルアカデミーがDXリーダーズプログラムを通じて多くの企業と接する中で、AI活用が定着している企業には共通する傾向があると分かりました。それは、事業部門の責任者がAI活用の方向性を自分の言葉で語れていることです。

逆に、AI活用が定着しない企業では、DX推進担当やIT部門が旗振り役となり、事業責任者は承認者の立場にとどまっているケースが少なくありません。

AI活用が「担当者の取り組み」で終わるのか、「事業変革の取り組み」になるのか。その分岐点は、事業責任者自身がAI活用を自分のテーマとして捉えられているかどうかにあります。

AI時代に求められるDX人材とは

生成AIが登場したからといって、DX人材の役割がまったく別のものに変わるわけではありません。そもそもDX人材とは、単にデジタル技術に詳しい人材ではなく、デジタルを活用して業務や事業を変革し、企業価値を高める人材です。

つまり、DX人材の本質は「デジタルを使うこと」ではなく、「デジタルを活用して価値を最大化すること」にあります。生成AI時代に変わったのは、その変革を実現するための選択肢が増えたことです。

これから求められるのは、“AIを使える”人材にとどまらず、DXやAIを活用しながら、“自社の未来を構想し、組織を動かし、変革を実行できる”人材です。

生成AIの普及によって、情報収集や分析、資料作成のハードルは大きく下がりました。だからこそ差が生まれるのは、「何を実現したいのか」を描き、周囲を巻き込みながら実行できるかどうかです。

AI時代に求められるDX人材とは、AIの専門家ではなく、AIを活用して事業や組織の未来を切り拓く企業変革リーダーです。

部門別に見るAX推進のBefore/After

AXを自社に当てはめるためには、部門ごとの業務に置き換えて考えることが有効です。

営業部門の場合

Before
営業資料の作成や商談準備に時間がかかり、提案品質にばらつきがある。

After
AIを活用して顧客情報や過去商談を整理し、顧客ごとの提案仮説を短時間で作成する。浮いた時間を顧客理解や提案設計に使うことで商談の質を高める。

よくある失敗は、資料作成のスピードが上がったにもかかわらず、その時間をさらに資料作成に使ってしまうケースです。AXで問われるのは、生まれた時間をどこに再投資するかです。

人事部門の場合

Before
配置や育成が経験や勘に依存している。

After
スキルデータや評価データを活用し、育成や配置の判断精度を高める。

ただし、ここで重要なのは、人事判断をAIに任せるわけではなく、AIによって整理された情報をもとに、人がよりよい配置・育成判断を行えるようにすることです。

企画・管理部門の場合

Before
会議が報告中心になっている。

After
AIを活用して情報整理を行い、会議の時間を意思決定や打ち手の議論に使えるようにする。

ここで重要なのは、単にAIを資料をきれいに作るために活用するのではなく。会議や意思決定の質を変えることです。

AXは、部門ごとの作業効率化を超えて、業務の目的や時間の使い方、判断の仕組みそのものを変える取り組みです。

自社に変革リーダーはいるか?セルフチェック

以下に3つ以上当てはまる場合は、DX人材・企業変革リーダー育成が課題になっている可能性があります。

  • 生成AIを導入して半年以上経つが、日常的に使う社員が限られている
  • 管理職がAI活用を自分の意思決定に使っていない
  • AIで効率化した時間を事業成長につなげられていない
  • PoCの成果は出たが業務プロセスが変わっていない
  • DX推進部門だけが動いている
  • AI活用の成果指標が利用回数や利用率になっている
  • AI活用と事業戦略がつながっていない

このチェックで見えてくるのは、AIツールの不足ではありません。AIやDXを活用して、何を変えるのかを決め、周囲を巻き込み、実行できるリーダーの不足です。

パソナデジタルアカデミーが考える企業変革リーダーとは

パソナデジタルアカデミーが育成したいのは、AI活用担当者ではありません。DX・AI・データを活用し、企業や事業の未来を構想し、変革を実行できるリーダーです。

テクノロジーを理解することも重要ですが、テクノロジーを活用して価値を創造する役割がリーダーには求められます。これは多くの企業では、DX推進担当者やIT部門が変革を担おうとします。

しかし、本当に企業が変わるのは、事業責任者や部門長が変革の当事者になったときです。

AI活用そのものが目的ではなく、AIやデジタルを活用しながら、「自社はどのような価値を提供するのか」「どの事業を伸ばすのか」「どのような組織を目指すのか」を描き、実行することが重要です。

つまりパソナデジタルアカデミーが育成したいのは、「DXを推進する人」ではなく、「DXやAIを活用して企業や事業をリードする人」です。

なぜDXリーダーからAXリーダーへ進化するのか

DXの目的は変わらず、企業や事業を変革し、価値を高めることです。しかし生成AIの登場によって、変革の進め方やリーダーに求められる役割は広がっています。

そのため、DXリーダーからAXリーダーへの進化は単なる名称変更ではなく、AI時代に求められる企業変革リーダー像をより明確にするための進化です。

AXリーダーとは、AIに詳しい人材を育てるための言葉と思われがちですが、本来はDXやAIを活用し、企業や事業の未来を構想し、組織を動かし、変革を実行するリーダー像を表す言葉です。

AI時代のリーダー育成ならAXリーダーズプログラム

AXリーダーズプログラムは、生成AIの使い方を学ぶ研修ではありません。DX、AI、データ活用、ビジネス変革(アークテクチャ)、リーダーシップを統合的に学び、自社の課題に置き換えながら企業変革を実践するプログラムです。

もし次のような課題を感じている場合は、人材育成の視点からDX・AX推進を見直すタイミングかもしれません。

・管理職がAI活用を自分の意思決定に使っていない
・AI導入と事業戦略を繫げる必要性を感じ始めた
・変革を担うリーダーが不足、もしくは強化したい

対象は、事業部門リーダー、管理職、DX推進担当者など、企業変革を担う立場の方です。まずは概要資料や導入事例を確認し、自社の人材育成課題に合うかを検討してみてください。

\ AXリーダーズプログラムについて /

FAQ

AXとは何ですか?

AXとは、AIを活用して業務プロセスやビジネスモデルを変革する取り組みです。DXと別物ではなく、AIによってDXを加速・高度化する考え方として捉えると分かりやすいでしょう。

AXとDXは別々に推進すべきですか?

別々ではなく、統合して進める方が現実的です。AXはDXをAIによって加速・高度化する考え方です。

AX人材とは何ですか?

AIを活用して企業変革を進める人材です。ただし、DX人材とまったく別の人材像ではありません。DX人材の役割が生成AI時代に拡張された姿と考えると理解しやすいでしょう。

自社にAX人材がいるか分からない場合は?

AIを使える人がいるかではなく、AIを活用して事業や業務を変えられる人材がいるかで判断することが重要です。

AXリーダーとは何ですか?

AXリーダーとは、DX・AI・データを活用し、企業や事業の未来を構想し、変革を実行できるリーダーを指します。AI活用担当者ではなく、AI時代の企業変革を担う人材として位置づけられます。

まとめ

AXとは、AIによってDXを進化させる考え方です。ただし、本当に重要なのは、AXという言葉というよりも、生成AIの普及によって、企業変革の実現手段が大きく広がったという事実です。

DXの目的は変わりません。企業や事業を変革し、価値を高めることです。しかし、AIという新しい手段が加わったことで、DX人材に求められる役割は広がりました。

これから求められるのは、AIを使える人材ではなく、DXやAIを活用して、自社の事業課題を捉え、未来を構想し、組織を動かし、変革を実行できる企業変革リーダーです。

パソナデジタルアカデミーがこれまでの支援を通じて感じている共通点があります。必ずしも、AIに詳しい担当者がいる企業が変革が前進する企業とは限らないということです。事業責任者がAI活用を自分のテーマとして語り、組織を動かしている企業こそ、変革が前進している傾向があります。

AXリーダーズプログラムは、DXやAIの知識習得を目的としたものではなく、そのような企業変革リーダーを育成するために設計しています。

DXリーダーからAXリーダーへ。

その背景には、AI時代に必要なのは「DXを推進する人材」ではなく、「DXやAIを活用して企業や事業の未来を実行するリーダー」であるという考えがあります。

\ AXリーダー育成するには? /

パソナデジタルアカデミー編集部

当サイトの執筆者はパソナデジタルアカデミー編集部のメンバーです。DX人材育成を掲げ、社内外で研修を行いながら最新情報を発信し、お役立ち記事を提供しています。また、DX人材育成に関するプログラムの提供を日本全国で積極的に行っています。

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