お問い合わせ

特集記事

三井不動産×パソナグループ~デジタル戦略の未来を創る人材育成

パソナグループは2025年2月28日(金)に行った女性フォーラムのなかで「多様な視点で導くデジタル戦略の未来:人材育成の新たなアプローチ」セミナーを開催しました。

三井不動産株式会社 執行役員 DX本部副本部長 宇都宮幹子様をゲストに迎え、DX実現のための主要なテーマである、人材戦略とキャリアについて、取り組み事例の紹介をしていただきました。国際女性デーに合わせたイベントでもあったため女性管理職として活躍したい女性へのメッセージも寄せていただきました。

本記事では、トークセッション形式で行われた当日のセミナーレポートをお届けします。

■登壇者紹介
三井不動産株式会社 執行役員DX本部副本部長兼DX一部長 宇都宮幹子氏
三井不動産株式会社入社後、ソリューションパートナー本部レッツ資産活用部長、執行役員 ソリューションパートナー本部レッツ資産活用部長を経て、
2023年4月より現職 (役職は、2025年2月28日セミナー実施当時)

「デジタルがもたらす喜び」を実感し、DX領域にキャリアチェンジ

DX領域はITに詳しくないと活躍できないと考える方は多いのではないでしょうか?宇都宮様も、もともとはIT・システム分野ではなく、ビジネス側でキャリアを歩まれてきました。

1991年に同社入社後、住宅開発、営業、ホテル業の子会社運営を経て、2015年より管理職としてIT・DXの組織運営に関わっていらっしゃいます。2023年よりDX本部副本部長とDX一部を兼務されています。

リーマンショック後、ホテル運営会社に出向。人手がかかる業務の平準化・効率化するための業務改革に携わります。システム導入によりメンバーが喜ぶことを実感し、このことが後のDX領域のキャリアを歩むきっかけになられました。

三井不動産のDX戦略・組織

三井不動産様は2024年5月、新しい長期経営方針に合わせ、新グループDX方針 「DX VISION 2030」を策定。「&Customer=お客様へデジタルを活用してリアルの価値を創造する」 「&Crew=AI・デジタル人材育成」 「&Platform=デジタル基盤整備」という3つの軸でDX戦略を推進されています。

三井不動産株式会社 「DX白書2024」より抜粋

これらのDX戦略を牽引するDX本部の半数は、IT・DX専門職のDXエキスパート人材が占めます。システムPM・インフラPM・セキュリティPM・マーケティング・DXコンサルタント・ITサービス企画・データソリューション・プロジェクトマネージャーの8つのロールに分けられ、2017年よりキャリア採用を実施されています。

一方、全体の4分の1を占めるビジネス人材(総合職)には、DXエキスパート人材とビジネス部門のブリッジ役を果たし、双方の実現したいことをまとめ、リードする役割が期待されます。

管理職を担うビジネス人材がDXエキスパート人材のスキルを正確に把握できるよう各ロールのスキル定義を行い、業務の幅を広げていけるようDXエキスパート人材のスキルの可視化を行っています。(宇都宮氏)

社内交換留学により、DX部門とビジネス部門の間に立つ「DXビジネス人材」を育成

全社のビジネス人材とDXエキスパート人材の中央に位置し、ビジネス部門とDX部門の双方がわかる人材を「DXビジネス人材」と定義し、2024年度より育成を開始されています。

三井不動産株式会社 「DX白書2024」より抜粋

約1500人のビジネス人材(総合職)を対象に、これまで、DXスキル向上のためe-learningを行ってきましたが、実践に繋がらない課題感がありました。そこで、ビジネス人材を対象にDX本部へ1年間異動できる「DXトレーニー制度」を開始。

DX基礎などの座学を5ヶ月間学んだ後、残り7ヶ月はビジネス部門で抱える課題を解決する演習に取り組みます。自部門に戻ったときの「これはデジタルで解決できそう」という勘所を養うこと、さらに数年後に異動した別部署でも学びを長期的に実践してもらうことを目指しています。(宇都宮氏)

一方、DXエキスパート人材には、ビジネス部門と会話ができるために、現場ビジネスを勉強する「ビジネスインターン制度」を開始。6ヶ月間で他部門やグループ会社の業務を体感し、DX本部に戻った際に、得られた知見を基に新たなDX案件の創出に取り組みます。(宇都宮氏)

この双方の“交換留学”こそが、三井不動産様のDXビジネス人材を育成する取組みです。

女性管理職だから感じられる良さとは?

三井不動産様では近年、女性の新規採用が40%まで増え、女性管理職比率は2024年度初頭で9.2%でした。2025年度に10%、2030年度には20%まで伸ばすことを掲げていらっしゃいます。 

女性社員・女性管理職の横のネットワークを作ることが大切であるため、半年間のグループ合同研修「三井不動産グループ つながる・成長するプロジェクト」を実施。グループ各社1~2名の参加者がワークショップやディスカッションを行い、研修が終わった後も、相談しあえる関係づくりをしています。(宇都宮氏)

「管理職になりたくない」と思う女性社員に対して、管理職としてご自身が感じたこと・良さを伝えており、宇都宮氏ご自身が管理職になって良かったと感じていらっしゃることは以下の3つです。

  1. 頑張っていれば誰かが見ている = 今までの役割が果たせていたという安心感
  2. スケジュールがコントロールしやすい = 限られた就業時間のなかで、部下が効率的に仕事をしてくれる
  3. 責任は増えるが達成感も増える = 問題を解決する・部下の成長など、自分にとっての達成感を味わえる

管理職になる前のネガティブイメージを覆す良さは、経験してこそ感じることができます。社内ネットワークのなかで女性管理職の話を聞くことができるのは、これから活躍したい女性のキャリア形成の参考になっているようです。

「女性活躍推進」のとらえ方

女性管理職の良さだけではなく、よく聞かれる「女性活躍のもやもや」についても2つの捉え方を共有いただきました。

1.マイノリティの気持ちがわかるリーダーが必要

弱者(≒マイノリティ)がマイノリティのままでいられる社会を作るためには、マイノリティの気持ちがわかる女性のリーダーが必要だと考えています。

女性であることに困難を感じておらず、女性活躍の取り組みに反対する女性はおおよそ全体の2割いる一方、あとの8割は能力・やる気があっても様々な要因によりそれを発揮できません。

活躍したくでもできない人たちのために女性活躍の施策を行っていく旨を伝えると、女性活躍に反対を示す方でも、ほとんど理解をして頂けます。

2.期待に応える努力は、必ず成果になり、次のチャンスにつながる

いまだに性別によって能力が割り引いて見られてしまうことは大きな問題。一方でチャンスが巡ってくる理由に性別が含まれることも事実。

「ゲタ」を履いたと思われたくない女性に対して、昇格・登用は、これまでの実績・能力にくわえて「期待」が込められて抜擢される。期待に応える努力をすれば成果も出てさらに実力もつくと伝えています。

最後には、女性管理職として活躍したい女性へのメッセージも寄せてくださいました。

仕事においては様々なチャンスがあり、目の前のことを一生懸命頑張っていれば誰かが見ています。その努力の積み重ねによって次のチャンスがまた巡ってきます。DX領域に限らず、目の前の仕事を一生懸命やりながらキャリアアップしていってほしいです。(宇都宮氏)

DX×女性活躍がテーマの今回の公演では、テクニカルスキルとビジネススキルを融合させることがキーワードでした。

ご覧になった女性のなかには、IT・DXに苦手意識を持っている方もいらっしゃるかもしれません。宇都宮様が仰るように、様々なチャレンジをする姿はきっと誰かが見てくれています。私たちはこれからも、管理職として活躍したいと願う皆様の支援をしたいと思っています。(溝江)

アーカイブ動画はこちらよりご覧いただけます
https://www.pasonagroup.co.jp/forum_womens/

パソナグループのDXリーダー育成プログラム

業務経験を積む一環としての”社内交換留学”は、三井不動産様が実践する1つの方策であり、DXを実践に移す人材をどのように育成するか、多くの企業課題と認識しております。

今回のセミナーでは、DX人材育成におけるテクニカルスキル×ビジネススキルの融合の重要性に触れていただきましたが、これはパソナデジタルアカデミーでも大切にしている考え方です。DXを推進するためには、ITの専門家ではなく、デジタルがもたらす良さを理解でき、推進力を持った人材が必要だと考えます。

私たちが提供する「DXリーダーズプログラム」はビジネス変革のスキルから、リーダーに求められるパーソナルスキルまで網羅したカリキュラムで、ビジネス領域でDX人材として活躍する人材を育成します。

\ DXリーダーズプログラムについてもっと知りたい方 /

パソナデジタルアカデミー編集部

当サイトの執筆者はパソナデジタルアカデミー編集部のメンバーです。DX人材育成を掲げ、社内外で研修を行いながら最新情報を発信し、お役立ち記事を提供しています。また、DX人材育成に関するプログラムの提供を日本全国で積極的に行っています。

おすすめ記事

カテゴリから探す

  • すべて

まずはお気軽にお問い合わせください

お問い合わせ