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ファシリテーターに聞く!
実務でも活きる“課題発見力”を養えば、DX推進の第一歩に
DXを実現していくために必要なマインドや考え方は、経験を通じてこそ身につけることができます。DXビギナーズプログラムでは、ユーザーの本質的な課題を見極め、様々な解決アイデアを模索し、実際にプロトタイプを作成しながらより良い解決策を練り上げるプロセスを体験頂きます。DXを実現するために必要な思考法を体感しながら身につけて頂ける2日間の対面研修です。
当プログラムでは、座学で理解した内容を「実践できる」につなげるために、少人数のチームでアウトプットしながら学ぶ体験型のワークショップ形式を採用しています。パソナグループのDX統括本部のメンバーが、ファシリテーターとして関わりながら学びをサポートします。
「ファシリテーターに聞く!」シリーズでは、ファシリテーターである藤原さん・杉田さん・田部さんにインタビュー。当プログラムでの学びや特徴を教えていただきました。今回は、研修の学びが現場実務にどう繋がるかについてレポートします。
仲間とともに真のニーズに迫る2日間
ー「新しい思考法」を習得する2日間を実際に体験した参加者の皆さんは、受講直後にどのような気付きを得られていますか?
藤原:実際に頂いている声をぜひご紹介させてください。
アプリ作成を体験したからこそ、ツールはツールでしかないということを実感できた。ツール導入や業務改善の際にも、どのような課題があるか本質的なニーズを把握しなければ、自分の視点だけでの自己満足な結果になってしまう。自分たちにとってユーザーは誰になるのかを考え、ユーザーについて理解し、何を欲しているか明確化を第一にしなければならない。
藤原:参加された方々は、DXは決して難しいものではなく、デジタルやアプリ作成は何をなし得たいかの目的のための手段でしかない点を理解して持ち帰ってくださっています。
言葉で表すと簡単で分かった気になるのですが、腹落ちするまでが難しいです。そのため、どのように持ち帰ることができるか、イメージを高めてもらえるように、ワークショップの時間を通して、言葉で伝えるだけでなく、皆さんが考え、気付きを得てもらえるように工夫をしています。
田部:DXビギナーズプログラムは、ITのスキルや知識を受講要件に設けておらず、全レイヤーの方が対象になりえます。DXマインド醸成や、自社のDXをどう推進するかを考えるきっかけとして導入いただくことも多いです。
「何を目的に・どのようにデジタルを活用するか」といった気付きを得られる社員が増えていくことは、会社の文化に繋がります。より良い未来を描く一歩を、ぜひ研修でご一緒できたらと思います。
研修で得た気付きが、DX推進の原動力に
ー受講後の感想は伺えましたが、参加者の皆さんは学んだ内容を実業務においてどのように活かせているのでしょうか?
藤原:2日間では、課題発見から試作までのフレームワークを用いて、ユーザー視点で本当に必要とされるサービスを作り上げるプロセスを体験します。過去の参加者からも、「何が課題かを見極める力」を業務で活かしているという声をいただきます。
(IT部門)
研修前は、ユーザー(事業部)からヒアリングした内容を分析する際、自分の頭の中でのみ思考が巡りバイアスがかかった状態でまとめてしまう傾向がありました。フレームワークやユーザー視点の考え方を知ったこと、ユーザーのアクションや問題を時系列で整理し、問題発見と優先すべき課題の見極めができるようになりました。
担当業務において重要な考え方のため、自分だけではなく後輩にもユーザー視点の大切さを伝え、実際にフレームワークを活用してもらっています。
(管理部門)
プロトタイプの重要性を実感できました。アイデアをすぐさま形に起こすことでチーム内での認識合わせができ、質の向上に繋がり、開発のサイクルをたくさん回すことで顧客価値の向上も図れる、といったような理論を実体験として理解することができました。普段の会議でも、アイデアが出た瞬間にPowerPointでプロトタイプを作ってアイデアを可視化することで、会議を効率的に行えるようになってきました。
(営業部門)
事業の立ち上げにおける業務フローやマニュアル作成で活きています。ユーザー視点(=実際に業務を行う人)で課題に感じそうな点から逆算して作成できるようになりました。これまで自分視点で作成していたものから、現場視点での困りごとを想定して着手することで、手戻りも減り業務効率化に繋がりました。
藤原:このように、今までの業務への向き合い方・考え方がブラッシュアップされたという反応が一番大きいです。現代のビジネスシーンでは、ルーティンが多い日常業務や決められた役割を、いかに効率よく行いパフォーマンスを上げていくかが求められています。DXが当たり前の未来では、今までのやり方が急に通用しなくなるタイミングがきっと来ます。
それはつまり、与えられた役割の中だけで業務をこなすことに限界がくるということではないでしょうか。社員1人ひとりが会社の方向性を考えながら、現状とのギャップを認識して、解決アイデアが出るような組織体制にしていく必要があると思います。
田部:研修に参加した方々が、学びや気付きを活かして会社を変えたいと思っていただく、その考えを持った方々が増えていき文化に根付いていけば、DXのための組織づくりに繋がる。そのための大事な第一歩だと捉えていただければと思います。
杉田:なかなか日々の業務では学び取りにくい、課題解決策を導くための新しい視点や考え方をこのプログラムで習得いただきます。従来の進め方では業務が上手くいかなくなったと気付いたときには、 個人レベルでも組織レベルでも、遅れを取っている可能性があります。考え方のアップデートや次世代への準備はやはり必要だと思います。
田部:そうですね。DXというバズワードを大きく捉えるのではなく、普段の業務ベースでも研修の学びを活かすことができます。指示された手順通りだけでなく「もっとこうしたほうがいいのではないか」と、ニーズを探って課題がどこかを見極めたうえで業務に着手するような習慣づけが、日常業務で発揮されると思います。
業務改善はDXの種でもあるので、小さい取り組みの積み重ねがDXに繋がるという点で、組織に影響力をもたらせるのではないでしょうか。
まとめ
DXビギナーズプログラムは、ユーザー視点を持って課題を見極める力を身に付ける研修で、社員それぞれが学びを実務で発揮することで、ゆくゆく会社のDX推進に繋がることがわかりました。
人材会社であるパソナグループが各企業でDX人材育成に取り組む背景は何があるのでしょうか?次回はプログラムの裏にあるパソナグループの思いに迫ります。