特集記事
DX人材育成事例
学びを実践!自社DX研修で生まれた業務変革アプリを実用化へ
目次
はじめに
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「DX動向2024」によると、DX を推進する人財不足が深刻となるなか、日本企業では、「社内人財の育成」を人材の獲得・確保の方法とする割合が最も高いことが明らかになりました。
DX人財育成に取り組む企業様でも、「学びが実務に活かされていない」「業務やビジネスの変革に結び付いていない」という課題感をお持ちではないでしょうか?今回はパソナグループが行っている、実務に繋がるDX人財育成の事例をご紹介します。
DX人財育成を社内で育成するために~パソナグループの事例
パソナグループは2026年5月までに社内外でDX人財を1万人育成するという目標を掲げています。グループ社員に対しては、全体のITリテラシー向上やDXを推進する専門人財の育成、データとデジタル技術を活用した新たなソリューション開発を目的に、階層別の教育体系を整備しDX人財育成に注力しています。
戦略実行に必要な人財を確保するための具体的な取り組みとして、DX推進リーダー育成を目的とした6ヶ月間の選抜型プログラム「リスキリング・イニシアティブ」を独自に開発し、2021年度より毎年実施。全グループ社員を対象に、受講者は年齢・職種・役職を問わず公募制で集め、これまで150名が修了しています。デジタルを用いてビジネス課題を解決するために最先端なスキルを身に付けます。
研修を通じ、当社の本社機能がある淡路島内のシャトルバスアプリや、PC返却の簡素化アプリなど、新たなイノベーションも生まれています。このようにして高まった事業部門とDX部門のデジタルリテラシーが、徐々に当社事業のビジネス変革やDX戦略の実行力に繋がっているのです。
最先端を学び、自部門に還元できるDX推進リーダーを育成
2024年1月から6月にかけて、リスキリング・イニシアティブの第4期を実施。今期は「より身近になったデジタルで、可能性が広がる豊かな世界」をテーマとし、生成AI(ChatGPT)の利活用スキルやデジタルマインドセットを中心としたプログラムを展開しました。
生成AIの基礎知識・思考法・プレゼンスなどのフレームワークを学び、Power AutomateやPower Appsのハンズオン研修を行い、網羅的な内容を習得しました。4ヶ月目からはこれまでの知識を活かし、チームごとに洗い出した業務課題を解決するアプリを開発し、役員に向けてプレゼンも行いました。
開発したアプリは研修で作成して終わりではありません。現在、開発・運用体制の構築から始め、事業部とIT部門が連携しながら実用化のために始動しています。
受講生は研修後も各現場で学びを実践し、DX推進リーダーとして活躍しています。選抜して学んだ社員は、研修を通じてどのようなマインド・行動変容を得られたのでしょうか。
研修では、課題解決のためのサービスの考え方を学び、実業務でもデジタルを気軽に活用できるようになった。社員一人ひとりがデジタル活用のマインドを持つことで、これまでになかったイノベーションにつなげられる可能性を実感した。
受講をきっかけとして、デジタルへの興味が増し、データベースエンジニア職へ社内でキャリアチェンジした。学んだ「ユーザー視点で考え抜く力」を強みに、デジタル分野において専門性を高め、スペシャリストとして社内外から頼られる人材に成長していきたい。
人財育成をDXの成果に結びつけるには?
これまでリスキリング・イニシアティブをはじめとしたDX人財育成を実施してきたからこそ、育成において大切なことがわかってきました。
1つ目のポイントは何を学ぶか?です。
DXを実践するためにはアプリなどのツールを作る・使える技術は不可欠ですが、会社の未来のために今何を解決するべきかという課題設定の視点を養うことが必要です。その視点がなければ単なるデジタル化にとどまり、DXの本来のねらいであるビジネス変革に繋がりにくいです。課題が何かを見極める力を養ったうえで、解決策としてデジタルを活用するスキルを身に付けていくよう、プログラムを構成しています。
DXについて学んだ社員には、研修で得た知見や学びをそれぞれの現場で伝播する役割が期待されます。自身の周りメンバーや組織を巻き込むためには、リーダーシップ・自分の考えやアイデアを伝える能力といったパーソナルスキルをこれまでよりも洗練させることも不可欠です。
2つ目のポイントはどのように学ぶか?です。
研修で得られたものを個人だけに留めず、ビジネス変革に繋げていくためには、インプット(知識習得)とアウトプット(実践)を繰り返す学びが効果的だと考えています。リスキリング・イニシアティブでのアプリ開発はその例です。ワークショップ形式を取り入れることで、“知っている知識”から“使える知識”へ落とし込むことができます。
また、「仲間とともに学ぶ」も大切な要素です。教えあう・知見を共有しあう相互作用で学びが深まることはもちろん、部門や年次が異なる人たちとコミュニケーションを通して、自分自身の価値観が広がります。
DXは自部門の枠を越えて、IT部門を始め様々な関係者を巻き込む戦略です。e-ラーニングや独学といった自己学習では得られない越境体験や横の繋がりを研修の機会で作っていくことは、会社のより良い未来を創るカギになるでしょう。
ビジネス変革をリードできる人財を育成するプログラムに参加しませんか?
今回はパソナグループのDX人財育成事例と、育成を実務に繋げるポイントについてご紹介しました。私たちは、グループ内で行っているDX人財育成で培ってきたノウハウを活かし、社外向け研修「DXリーダーズプログラム」を開発、2023年8月より定期的に開催しています。
DX戦略を現場で実践できる、核になる人財を育成したいとお考えになったことはありませんか?
当プログラムは、DX推進に必要なビジネスデザイン・パーソナルスキル・データ活用スキルを網羅的に学び、ビジネスや業務プロセスをどう変革させるか?を考え、実行できる人財を3ヶ月間で育成するプログラムです。受講生自身の学びだけにとどまらず、DX実行プランの作成・実行フォローやアルムナイ交流を通し、貴社のDX推進へ貢献します。
各社から選抜された方々と一緒に学ぶ異業種交流型である点も特徴です。社内研修では得られない他社の価値観やモノの見方に触れることで、自身の考え方がアップデートされていきます。デジタルを活用した変革に取り組みたいという思いを持った方々が集まる学びの場に、ぜひ参加をご検討くださいませ。
第5期は2025年5月9日開講!エントリー受付中
デジタル人財育成をはじめとしたDX推進事例はこちら