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DX推進をリードする「ビジネスアーキテクト」人材育成のポイントを解説

デジタル化の急速な進展により、DXに取り組む日本企業が増えてきています。一方で、IPAが発表した「DX動向2024」によると、DXを推進する人材であるビジネスアーキテクトの不足がますます深刻化し、DX推進のボトルネックとなっているといわれています。

ビジネスアーキテクトは、DXを推進する人材であり、組織全体のビジネスプロセスや戦略を設計し変革を実現するための中核的存在です。DX推進に取り組む中でビジネスアーキテクトの人材育成は必要不可欠といえるでしょう。

この記事では、DX推進に取り組む企業様に向けて、DX推進をリードする「ビジネスアーキテクト」人材育成のポイントをわかりやすく解説します。

DXを推進するビジネスアーキテクトとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するビジネスアーキテクトは、企業や組織のビジネスの仕組みを理解したうえでDXの方向性を定めて実行につなげる専門家といえるでしょう。

ビジネスアーキテクトとは、DXを推進するリーダーとして、組織全体のビジネスプロセスや戦略を設計し、変革を実現するための中核的存在です。経営層と現場やIT部門などをつなぎ、戦略から業務・ITの構造を描いて、企業の変革を構造的にリードしていく人材を指しています。

\ ビジネスアーキテクトとは?役割と必要なスキルを徹底解説 /

ビジネスアーキテクトが必要な理由

ビジネスアーキテクトが必要な理由は、DX(デジタルトランスフォーメーション)やビジネス環境の急激な変化に対応するために、「ビジネス全体を俯瞰し、戦略とITをつなぐ橋渡し役」が求められているからです。ここでは、具体的な5つの理由について解説します。

1.DX推進の中心人物
DX推進においては、単なるITの導入ではなく、企業や組織の業務プロセスやビジネスモデルの変革が求められるものであり、ビジネスの全体像を把握し、ゴールから逆算して設計し、全社視点での改革をリードする人材であるビジネスアーキテクトが必要とされています。

2.ビジネスとITの断絶を埋める
経営陣や事業部門などのビジネスサイドからは様々な希望や要望が出され、システム・IT部門はどのように実現するかに集中しがちになるところを、ビジネス戦略をテクノロジーで実現するための設計役としてビジネスアーキテクトが両者の間に立つことが必要です。

3.複雑化した組織・システムの調整役
各部門ごとに構築・最適化されたシステムや業務プロセスは、組織全体としては非効率となっているケースが見られるのが実情といえるでしょう。そこで全社最適を実現するための業務・データ・システムの整合性を設計・調整する役割を担うビジネスアーキテクトが必要とされています。

4.持続的競争力の確保
企業を取り巻く環境や市場の変化が速いなか、迅速な意思決定や柔軟な事業展開が求められます。組織の構造やデータの流れを設計・見直し、機動力のある企業体質を構築するためにもビジネスアーキテクトの存在は必要です。

5.経営と現場の「翻訳者」として機能
事業現場が理解しやすい形にして経営戦略を落とし込むとともに、現場の課題を経営サイドに適切にフィードバックし、構想と実行のギャップを埋める役割も理由の一つにあげられます。
ビジネスアーキテクトは、経営サイドの意図をビジネス設計とシステムに落とし込むプロフェッショナルです。単なるIT人材でも現場マネージャーでも代替できない、「構造的変革を設計する力」があるからこそ、今の時代に必要とされています。

ビジネスアーキテクトの資格

ビジネスアーキテクトには特定の国家資格が存在するわけではありませんが、役割を担う上で評価されやすい民間資格やスキル認定がいくつかあります。以下に代表的な資格を挙げて説明します。

1.ITストラテジスト試験(ST)
主催: IPA(情報処理推進機構)
レベル: 高度情報処理技術者(レベル4)
内容:経営戦略とIT戦略の整合性を評価・立案、デジタルビジネスの設計・推進
おすすめ理由:ビジネスとITを橋渡しする職種に最適、官公庁や大手企業での評価が高い

2.中小企業診断士
主催: 中小企業庁(経済産業省管轄)
内容:経営戦略、マーケティング、財務会計、人事などの知識が幅広く求められる
おすすめ理由:ビジネス設計・業務改善に直結するスキルが身につく、経営者やコンサルタントとしての視点を得られる

3.PMP(Project Management Professional)
主催: PMI(Project Management Institute)
内容:プロジェクトマネジメントの国際標準
おすすめ理由:大規模な業務改革やIT導入プロジェクトに携わるビジネスアーキテクトに必須、グローバル企業でも通用する

4.TOGAF(The Open Group Architecture Framework)認定
主催: The Open Group
内容:エンタープライズアーキテクチャの設計手法に関する国際標準
おすすめ理由:業務、データ、アプリケーション、テクノロジーの統合的な設計に役立つ、ビジネスアーキテクチャの基礎を理論的に理解できる

5.CBAP(Certified Business Analysis Professional)
主催: IIBA(International Institute of Business Analysis)
内容:ビジネス分析に関する知識体系(BABOK)をもとに認定
おすすめ理由:要件定義や業務プロセス設計の精度を上げる、グローバルで認知度が高い

■補足:持っておくと強い基礎資格やスキル
・基本情報技術者試験(FE)
・ビジネス実務法務検定
・業務フロー作成スキル(BPMNなど)
・DX検定 / DX推進パスポート
・UML、SysML などモデリングスキル

■まとめ(選び方のポイント)

状況おすすめ資格
ITと経営戦略の橋渡しを担うITストラテジスト/TOGAF
業務改善・コンサル力を高めたい中小企業診断士/CBAP
プロジェクト遂行力を強化PMP
総合的にレベルアップしたい複数の資格を段階的に取得

ビジネスアーキテクトの人材育成と研修のヒント

ビジネスアーキテクトの人材育成と研修には、「ビジネスとITの橋渡しができる人材」を育てるための体系的なスキル開発が求められます。以下に育成の考え方、研修プログラムの例、企業の取り組みまで具体的に紹介します。

ビジネスアーキテクトに求められるスキル領域は多岐に渡りますので必要なスキルの整理から始めていくことが、ビジネスアーキテクトの人材育成のポイントとして挙げられます。

【研修・育成のステップ】
ステップ1:基礎力の養成(若手~中堅向け)
ステップ2:アーキテクチャ設計スキル(中堅~上級)
ステップ3:プロジェクトマネジメント・実践力

【育成の進め方(モデル)】
スキルマップ作成(職種定義・レベル設計)
アセスメント実施(現状評価)
教育プラン設計(階層別・実務別に設計)
研修+OJT+社内PJローテーション
定期レビューとキャリア支援

■まとめ
ビジネスアーキテクトの育成には「ビジネス × IT × プロジェクト推進」スキルの体系的強化が必要です。社内の実務機会(OJT)+外部研修(OFF-JT)を組み合わせた設計が効果的といえるでしょう。

まとめ

デジタル化の急速な進展により、DXに取り組む日本企業も増えてきています。
一方で、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が発表した「DX動向2024」によると、DXを推進する人材の不足がますます深刻化し、DX推進のボトルネックとなっていることが浮き彫りになりました。

パソナデジタルアカデミーでは、企業がDXに取り組む際に直面する人材育成の課題に対して、DX推進をリードする「ビジネスアーキテクト」人材の育成に主眼に置き、「コミュニティ」が持つ力に着目した独自の人材育成プログラムを展開しています。

実践とフィードバックを繰り返し、一人ひとりが持つ力を発揮しやすい環境を作ることで、組織としてDXに取り組む力が高まっていく期待を実感いただき、ご好評を得ています。

本資料では、DXを推進する人材の育成をお考えの企業様に向けて、DXに関する調査レポートを読み解きながら、DX推進をリードする人材に必要なスキルや育成のポイントを整理し、当社事例も役立てていただきたくお伝えいたします。ぜひ、ご参考にしていただければ幸いです。

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ビジネスアーキテクト人材育成「DXリーダーズプログラム」

パソナグループは、「DX人財を10,000名育成する」という目標を掲げています。DXは単なる技術的な挑戦ではなく、全ての働く人々に「もの創りや協働の楽しさやワクワク感」をもたらす革新的な方法論です。このビジョンを実現するため、技術とニーズを結び付け、新しい価値をデザインする企業間交流型プログラム「DXリーダーズプログラム」を開催しています。

DXリーダーズプログラムでは、自社のビジネスや組織を変革に導けるリーダー人材を育成します。ビジネスアーキテクチャーデザイン、ファシリテーション、リーダーシップ、生成AI・データ活用といった、DXをリードする存在に欠かせないスキルを網羅したカリキュラムです。ビジネスアーキテクトの育成としてもご活用いただけます。

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■編集後記
DXご担当者様とお話しをするとき、「自社のDX人材に求められる素養は何か?と模索中です」というお声をよくいただきます。パソナデジタルアカデミーではDX推進に関してお役に立てるご支援をご用意していますので、お気軽にお問い合わせください!

パソナデジタルアカデミー編集部

当サイトの執筆者はパソナデジタルアカデミー編集部のメンバーです。DX人材育成を掲げ、社内外で研修を行いながら最新情報を発信し、お役立ち記事を提供しています。また、DX人材育成に関するプログラムの提供を日本全国で積極的に行っています。

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