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ビジネスアーキテクトとは?役割と必要なスキルを徹底解説

デジタル化が急速に進む現代社会では、ビジネスの進化と変革を推進する「ビジネスアーキテクト」が重要な役割を担っています。

ビジネスアーキテクトとは、DXを推進するリーダーとして、組織全体のビジネスプロセスや戦略を設計し、変革を実現するための中核的存在です。

本記事では、DX推進を進める中で求められるビジネスアーキテクトの役割とそのために必要なスキルについて、専門的な知識がなくても理解できるように解説します。

ビジネスアーキテクトとは

ビジネスアーキテクトとは、企業がDXを進める中でビジネスや業務の変革を計画し、具体的なゴールに向けて推進する役割を担う人材です。単なるIT技術の導入にとどまらず、ビジネス全体を見渡しながら組織の戦略を策定し、プロセスの効率化を図ります。

実際に多くの企業では、DXを推進したいと考えても、リーダーや引っ張っていくDX人材が不足しているため、なかなか実現できずに悩んでいることも多く、そのためビジネスアーキテクトは重要な役割を果たします。しかし、こうしたDX推進を進められるDX人材の採用は難しいことも課題です。彼らはビジネスの根本的な仕組みを設計する「アーキテクト」であり、DX推進の要とも言えます。

「DXの取組み(新規事業開発/既存事業の高度化/社内業務の高度化、効率化)において、目的設定から導入、導入後の効果検証までを、関係者をコーディネートしながら一気通貫して推進する人材と定義しています。」 
※引用:https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/businessarchitect/index.html(情報処理推進機構(IPA))

ビジネスアーキテクトの役割

DX推進におけるビジネスアーキテクトの役割について、以下の3つについて解説します。
①全体戦略の策定
②DX推進のリーダーシップ
③組織の調整役

①全体戦略の策定

ビジネスアーキテクトは、企業が目指す方向性を明確にし、それに沿った全体戦略を立てます。新規事業の開発から既存ビジネスの高度化、さらには社内業務の効率化まで、幅広い領域で戦略を策定し、実行に移します。この役割を通じて、企業は新しい市場機会を見出し、変化する顧客ニーズに対応することができます。

全体戦略を策定できる人材がいない場合、企業は明確な目標や方向性を失い、短期的な利益追求に偏るリスクがあります。市場や顧客ニーズに適応できず、競合他社に遅れを取る可能性も高まります。さらに、部門ごとの戦略が不統一で、企業全体としての効率性が低下し、リソースが無駄に使われる恐れがあります。そのため、全体戦略を策定できる人材は非常に重要です。

②DX推進のリーダーシップ

DXの推進において、ビジネスアーキテクトはリーダーシップを発揮し、企業内外の関係者をまとめ上げます。データ活用やデジタル技術の導入による変革を計画し、具体的なアクションプランを立てて実行します。組織内の異なる部門間の橋渡し役としても機能し、円滑なコミュニケーションを図ります。

もし、ビジネスアーキテクトが組織の調整役として機能しない場合、DXプロジェクトは混乱し、部門間での対立や優先順位の不一致が生じます。リソースの適切な割り振りができず、必要なチーム編成が遅れ、プロジェクト全体の進行が大幅に遅延します。

また、関係者間の協力が得られず、プロジェクトに対するモチベーションや責任感が薄れ、成果が期待通りに上がらないこともあります。この結果、DXの成功確率が著しく低下し、企業の変革が停滞する恐れがあります。ビジネスアーキテクトはリーダーシップは、データ活用やデジタル技術の導入による変革をより加速させます。

③組織の調整役

DXの成功には、多くの部門や関係者の協力が欠かせません。ビジネスアーキテクトは、組織全体の調整役として、必要なリソースを確保し、チームを適切に編成し、プロジェクトがスムーズに進行するよう調整します。社内外の意見をまとめ、全員が同じ目標に向かって働ける環境を作り上げることが重要です。

もし組織の調整役がいなければ、部門間のコミュニケーションが不足し、情報の共有が滞る恐れがあります。その結果、プロジェクトの進行が遅れたり、重複した作業や無駄が生じたりすることがあります。

また、異なる部門の意見が対立することもあり、全体の目標が不明確になり、リソースの最適な活用ができなくなる可能性があります。これにより、DXの推進が停滞し、企業の競争力を損なうリスクが高まるため、調整役が必要なのです。

ビジネスアーキテクトに必要な4つのスキル

ビジネスアーキテクトに必要なスキルは、以下の4つが挙げられています。
①戦略的思考
②デジタル技術の理解
③コミュニケーション能力
④プロジェクトマネジメント能力

①戦略的思考

ビジネスアーキテクトは、全体を見渡す視野を持ち、企業の成功を長期的に考えることが求められます。例えば、新規事業の立ち上げを検討する際、単に市場規模を見るだけではなく、将来的な成長性や競合他社の動向を徹底的に分析し、他社にはない差別化された戦略を構築します。

競合の戦略や業界の技術トレンドを見極め、企業が適切なタイミングで新技術やサービスを導入できるよう、長期的なビジョンで計画を立てることが重要です。

②デジタル技術の理解

ビジネスアーキテクトは、企業のデジタル変革に欠かせないデジタル技術を深く理解し、その応用方法を考える必要があります。

例えば、AIを使ったデータ分析ツールを導入する際、ビジネスアーキテクトはその技術の特性や利点を理解し、どの業務プロセスに最適か、どの部門が恩恵を受けるかを判断します。

クラウド技術を活用してITコストを削減しながら、データのアクセス性やセキュリティを向上させる施策を立案することが、ビジネス全体にとって大きな価値を生む例です。

③コミュニケーション能力

複数の部門や外部パートナーが関わるプロジェクトでは、ビジネスアーキテクトのコミュニケーション能力が鍵を握ります。例えば、IT部門が新しいデジタルシステムを導入する際に、営業やマーケティング部門との間で意見が対立することがあります。

ビジネスアーキテクトはその対立を調整し、双方のニーズを理解した上で解決策を導き出し、全員が同じ方向を目指せるようにします。また、技術的に複雑な内容も、経営陣や関係者に分かりやすく説明し、プロジェクト全体の理解と合意を得ることが重要です。

④プロジェクトマネジメント能力

ビジネスアーキテクトは、同時進行する複数のプロジェクトを管理し、それぞれの進捗を適切に把握する必要があります。例えば、新しい顧客管理システム(CRM)を導入するプロジェクトでは、ITチーム、営業部、マーケティング部と連携しながら、システムの開発から運用までをスムーズに進行させる責任があります。

予算内でプロジェクトを成功させるために、リソースの最適な割り振りや進捗状況の定期的な確認、さらに潜在的なリスクの早期発見と対応が欠かせません。

ビジネスアーキテクトは、DXを推進する企業において、全体戦略の策定やリーダーシップ、組織の調整など、多岐にわたる重要な役割を担っています。企業のデジタル変革を成功に導くためには、ビジネスアーキテクトが戦略的思考を持ち、デジタル技術を理解し、効果的なコミュニケーションとプロジェクトマネジメントを駆使してプロジェクトをリードすることが不可欠です。

これらのスキルと役割を通じて、企業は市場の変化に適応し、新たな成長機会を捉えることができるでしょう。ビジネスアーキテクトの存在は、現代の企業経営において欠かせないものとなっています。

ビジネスアーキテクト育成に有効なプログラム

パソナグループは、「DX人財を10,000名育成する」という目標を掲げています。DXは単なる技術的な挑戦ではなく、全ての働く人々に「もの創りや協働の楽しさやワクワク感」をもたらす革新的な方法論です。このビジョンを実現するため、技術とニーズを結び付け、新しい価値をデザインする企業間交流型プログラム「DXリーダーズプログラム」を開催しています。

DXリーダーズプログラムでは、自社のビジネスや組織を変革に導けるリーダー人材を育成します。ビジネスアーキテクチャーデザイン、ファシリテーション、リーダーシップ、生成AI・データ活用といった、DXをリードする存在に欠かせないスキルを網羅したカリキュラムです。ビジネスアーキテクトの育成としてもご活用いただけます。

\ DXリーダーズプログラムについてもっと知りたい方 /

■編集後記
DXご担当者様とお話しをするとき、「自社のDX人材に求められる素養は何か?と模索中です」というお声をよくいただきます。パソナデジタルアカデミーではDX推進に関してお役に立てるご支援をご用意していますので、お気軽にお問い合わせください!

パソナデジタルアカデミー編集部

当サイトの執筆者はパソナデジタルアカデミー編集部のメンバーです。DX人材育成を掲げ、社内外で研修を行いながら最新情報を発信し、お役立ち記事を提供しています。また、DX人材育成に関するプログラムの提供を日本全国で積極的に行っています。

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