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DX動向2024からわかる、DX実現の課題と解決策

目次
企業や組織においてDXは、競争力強化と社会的課題解決のために不可欠な要素となっています。日本でも年々DX推進に取り組む企業が増加しており、その進展に伴い、多くの成果と課題が明らかになってきました。
この記事では、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2024年に発表した「DX動向2024」をもとに、戦略・技術・人材の観点から日本企業のDXの取り組みや成果を分析し、経年変化も含めて紹介しています。
2024年のDX動向の概要
「DX動向2024」は、2018年の経済産業省の「DXレポート」から続く取り組みの最新情報をまとめたものであり、DXが企業にとって競争力を維持するための重要なカギとなっていることを改めて示しています。
この記事では「DX動向2024」から特に注目すべきデータを取り上げ、企業がDXを推進する際に直面する主要な課題と、それを解決するための具体的なアプローチについて解説していきます。
「DX動向2024」 ※引用:独立行政法人情報処理推進機構
https://www.ipa.go.jp/digital/chousa/dx-trend/eid2eo0000002cs5-att/dx-trend-2024.pdf
DX実現の主な3つの課題
ここからは「DX動向2024」の情報をもとに、技術的、組織的、そしてデータ管理に関する具体的な3つの課題について詳しく解説します。
①技術的課題
DXを進める上で、特にAIやクラウド技術の導入において多くの企業が技術的なハードルに直面しています。特に古いシステム(レガシーシステム)との統合が難しく、DXを進める上での大きな障壁となっています。
IPAの調査によれば、約58%の企業がレガシーシステムに依存しており、それがDX導入の遅れに繋がっています。また、高度な技術スキルを持つ人材の不足や、サイバーセキュリティの対策不足も技術的な課題をさらに複雑にしています。
②組織的課題
多くの企業は、デジタルスキルを持つ人材の不足に悩んでいます。特に中小企業やサービス業では、デジタル技術を活用できる人材が少なく、DXの進展を阻害しています。調査によると、約40.4%の企業が「大幅に人材が不足している」と答えています。
また、従業員が従来の業務フローに固執し、DXに対する抵抗感が強いことも課題です。変革に対する不安や新技術への抵抗は、DXの成功を妨げる要因となっています。
③データ管理の課題
データ管理の面でも、多くの企業が困難に直面しています。データの品質や一貫性を確保し、部門間でのデータの分断を防ぐことは、DXを推進する上で不可欠です。
また、サイバーセキュリティの脅威も増しており、データの安全な管理が求められます。特に、データ流出や不正アクセスのリスクが増加しているため、企業はセキュリティ対策を強化する必要があります。
DXを成功させるための解決策
企業や組織において、DXを成功させるために必要な3つのカギについてご紹介していきます。

①経営トップが率先してDXを推進することがカギ
DXを成功させるためには、企業のトップが自ら率先してデジタル化を推進することが大切です。会社全体でデジタル化の目標を共有し、経営戦略と連動したDX計画を立てることで、効果的な変革が可能になります。
経営層がDXを理解し、現場の各部署が一丸となって取り組むことで、全体的なビジネスの効率化や新しい価値創造に繋がります。全社員がDXの重要性を理解し、企業の方向性が一貫していると、より良い結果が得られるでしょう。
②新しい技術を活用し、古いシステムを見直す
企業がDXに成功するためには、データやAI(人工知能)を効果的に活用することが必要です。また、会社内の古いシステム(レガシーシステム)を見直し、新しい技術に対応したシステムに移行することも重要です。
これにより、業務の効率が向上し、顧客により良いサービスを提供できるようになります。特に、AI技術は新しいサービスの開発や、既存サービスの改善にも役立ちます。技術の進化に追いつき、システムの改善を進めることが、DX成功の鍵です。
③デジタル化を支える人材の育成が重要
DXの成功には、デジタル技術に精通したDX人材の確保と育成が欠かせません。しかし、現状ではこうしたDX人材が不足しているため、社内での教育やトレーニングが必要です。新しい技術を活用できる社員を育てることで、DXを推進する力が高まり、会社全体の競争力が強化されます。
特に、AIやデータ分析のスキルを持つ人材が求められています。企業はリスキリング(再教育)を通じて、既存の社員に新しいスキルを習得させ、DX人材の育成の推進を支える環境を整えることが大切です。
パソナグループのDX人材育成
DX動向2024でも、DX推進のためにDX人材育成のトレーニングが重要であることが述べられていました。私たちパソナデジタルアカデミーは、DX人材を「課題解決にデジタルを用いることができる人材」とし、2020年より育成プログラム作成・実行しています。これまでのDX研修のノウハウを活かし、お客様向けにDX人材育成プログラム提供しています。
~DXビギナーズプログラム~
デジタルを活用したアイデアで課題解決できる人を育成する2日間の基礎プログラム
■特徴
①ユーザー視点の課題解決に必要な思考法を体験する
②ノーコードでのアプリ作成を通じ、デジタルを身近に感じられる
③DXを自分事ととらえるマインドセットができる
~DXリーダーズプログラム~
DXを推進するリーダーを育成する3か月間の異業種交流型プログラム
■特徴
①DX推進を牽引するためのビジネススキルを重点的に学べる
②DX実行プラン作成を最終成果物とし、自社へ持ち帰る
③異業種交流で共に学び、アルムナイ交流として継続する越境学習
■編集後記
DXご担当者様とお話しをするとき、「自社のDX人材に求められる素養は何か?と模索中です」というお声をよくいただきます。パソナデジタルアカデミーではDX推進に関してお役に立てるご支援をご用意していますので、お気軽にお問い合わせください!