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生成AI×若手社員が変える働き方~パソナグループの挑戦①
生成AIが働き方の前提となるなか、パソナデジタルアカデミーは若手社員に対して、「AIとの協働」による業務変革と新規事業創出の挑戦をサポートしています。今回は、その実践型ワークショップの内容と、AI研修を超えた“会社の風土づくり”への実践を紹介します。
AI前提の働き方に変わる社会
生成AIは今や、日々の生活や業務に欠かせないツールとなってきました。PwC Japanグループの「生成AIに関する実態調査2025春 5カ国比較」によると、日本国内の企業のうち56%が生成AIを社内に導入しており、2024年の調査から増加し、ついに過半数を超えました。
では、どのような業務で活用されているのでしょうか。同調査によれば、報告書や議事録の要約、報告書やメールなどの文章作成といった、作業の効率化を目的とした利用が最も多いことがわかっています。生成AIの活用が働き方の前提となりつつある今、「生成AIを何に使うのか」「自分はどのように働くのか」といった、働き方そのものの変革が求められています。

出典:PwC Japanグループ調査より作成
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/generative-ai-survey2025.html
こうした背景を踏まえ、パソナデジタルアカデミーでは、パソナグループの若手社員を対象に、2ヶ月間の生成AIワークショップを開催しました。次世代を担う若手社員に、業務の進め方を変革してもらうことを目的に、「AIとの協働」をテーマとした実践型の研修を実施しました。
AIを活用し、業務変革を実践!
1回目のワークショップでは、まず「個人の業務変革」に焦点を当てました。講師からは、日頃から“AIを使う習慣をつける”というマインドセットの重要性が伝えられ、具体的な事例をもとに、プロンプト作成のコツについてもレクチャーが行われました。
講義後から次回のワークショップまでの約1ヶ月間は、各自の業務での実践期間としました。参加者は、普段の業務の中からAI化すべき業務を洗い出し、それらをどのようにプロンプトに落とし込むかを考えながら実践。工数削減の度合いなど、実践の結果を自ら検証・整理しました。
実際に、これまで15時間かかっていた事務作業が5時間に短縮された参加者もおり、自分の業務に意識的にAIを取り入れることで、その可能性を実感することができました。一方で、AIに頼ること自体は有効であるものの、最終的には必ず人間の目でチェックする必要があることも体感し、AI利用におけるリスクや注意点についても理解を深める機会となりました。
AIで未来を描く―新規事業立案に挑む若手社員
個人での業務実践の次のステップとして、参加者はグループに分かれ、新規事業立案に取り組みました。AIにアイデアそのものを考えさせるのではなく、AIとの対話を通じて、全く新しい事業を共創していくワークショップです。
グループワークに入る前には、今回も講義を実施しました。そこでは、個人が考えたアイデアの壁打ちをどのようにAIと行うか、また、メンバーが持ち寄ったアイデアをAIを活用してどのように一つのグループアイデアへ収束させていくかについて、具体的なプロンプト例を交えながら学びました。
“わからなかったらAIに聞いてみる”、“アイデアがたくさん出たら、収束のプロセスをAIに手伝ってもらう”など、AIをあたかも「メンバーの一人」として位置づけることで、グループワークの進め方そのものが、AIの存在を前提とした議論へと変容していきました。
その結果、パソナグループのメインビジネスである人材サービスの枠を超えた、ユニークなアイデアが数多く生まれました。今後は、グループごとにピッチ発表を行い、一次審査を通過したチームのみが最終発表会へと進みます。これからのパソナグループの未来を創る新たな事業がこのプロセスから生まれてくることを期待しつつ、引き続き若手社員のチャレンジをサポートしていきます。
編集後記
冒頭で、生成AIは日々の生活や業務に欠かせないツールとなってきたと述べました。こうした社会の変化を受け、多くの自治体や民間企業では、生成AI研修や、利用におけるセキュリティ教育などが進められています。
その中で、私たちパソナデジタルアカデミーが大切にしているのは、「AIの使い方そのものを教える場にはしない」という点です。個人ワーク編で重視しているのは、AIの存在を前提に自分の業務の在り方を見つめ直すことであり、単なる業務効率化のためのプロンプト学習ではありません。グループワーク編では、AIと相談しながら0から1を生み出すことこそが、AIに期待されている役割だと考えています。
このように、人間の考えを広げてくれることが、AIの大きな役割の一つではないでしょうか。会社の未来を担う若手がその価値を実感することで、周囲の先輩社員にも良い影響が波及し、AIの良さが会社全体に伝播していくと考えています。だからこそ、「AIの使い方」を教えるのではなく、「AIを使って自分たちの業務を変える・新たなビジネスを生み出す」ための実践の機会を大切にしています。
私たちは次の世代へとつながる会社の風土づくり、そしてAIとの協働に挑戦しています。
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