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DXリテラシー研修とは?DX人材育成の社員教育のポイント

はじめに

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、現代のビジネス環境において避けて通れない、重要な取り組みです。企業が競争力を維持し、成長を続けるためには、デジタル技術を活用してビジネスモデルやオペレーションを根本から見直すことが求められます。

しかし、DXの必要性を理解している企業であっても、「DXの具体的な進め方が分からない」「どの技術をどのように活用すれば良いかが明確でない」といった課題に直面しているケースが少なくありません。また、デジタル技術の急速な進化により、新たな技術やトレンドが次々と登場するなかで、何から手を付けてよいのか戸惑う声も多く聞かれます。

このような状況に対応するために、DXリテラシー研修が注目を集めています。
この記事では、DXリテラシー研修が具体的にどのようなものであり、なぜ現在のビジネス環境でその重要性が高まっているのか、具体的な学習内容と合わせて解説をします。

なぜDXリテラシー研修が必要か

理由① 生き残りをかけた競争環境への対応

現代のビジネス環境は、まさに生き残りをかけた競争の場です。技術の進化は著しく、市場のニーズも日々変化しています。このような状況下で、企業が競争力を維持し続けるためには、デジタル技術を活用したビジネスの変革、つまりDXリテラシーを高めることが不可欠です。

しかし「社内にDXを遂行できる人材がいない」「DXに取り組んではいるが、成果が出ていない」「そもそもDXリテラシーが低い」といった状況では、市場での競争に負けてしまうリスクを高めます。

従業員全員が研修を受講しDXリテラシーを高めたら終わりではなく、実際にDXを遂行し実行しビジネスの場で成果を出すことが重要です。

成果を出すことができれば、企業はより迅速に市場の変化に対応できるようになり、顧客ニーズを的確に捉えた新しいサービスや製品を提供できるようになります。

また、DXリテラシー研修と通じて、社内にDXを遂行できる人材を育成することは、業務の効率化やコスト削減にも繋がり、企業の持続的な成長を支える基盤を築くことも可能になります。このような理由により、DXリテラシー研修は非常に重要です。

理由② DX推進の実行力を持つ人材の採用は難しい

日本では、少子高齢化の進行に伴い、労働人口が減少しています。これにより、多くの業界で人手不足が深刻化しており、企業間の人材獲得競争は年々激しさを増しています。特にDXの推進に必要なスキルを持つ人材は非常に限られており、その需要は高まる一方です。

「DXリテラシーの高い人材を採用したい」「DXを遂行したことのある経験者を採用したい」と思っても、即戦力となる人材を見つけ出し、採用することは一層困難になっています。仮に、DX人材が見つかったとしても、企業は彼らを獲得するために高い報酬や待遇を用意する必要があります。

このような状況では、特に中小企業やスタートアップなどの資源に限りがある企業は、DX人材の採用において大企業との間で不利な立場に置かれることがあります。

DXリテラシー研修は、今いる従業員がデジタル技術の基礎から応用までを学び、実際のビジネスシーンでDXを推進するための実行力を身につけることを可能にします。この背景を踏まえると、すでにいる従業員のDXに関する知識やスキルで育成し、DXリテラシーを高めることが重要であることが明らかです。

理由③ 社員の自己研鑽任せではうまくいかない

デジタル技術やDXに関する知識は、非常に広範囲にわたります。DXリテラシーを高めようと個々の従業員が自分のペースで、かつ自分の関心に基づいて学習する場合、必ずしも企業全体の戦略や目標に合致したスキルや知識が身につくとは限りません。

また、新しい技術やトレンドは日々更新されており、個人の努力だけでは最新の情報をキャッチアップすることが難しい場合があります。また、自己研鑽の場合、学習の進め方や内容に一貫性がなく、知識に偏りが生じやすいという問題があります。

例えば、ある社員はAIについて深く学んでいる一方で、別の社員はクラウドテクノロジーに焦点を当てているかもしれません。

このような状況では、組織全体で統一されたビジョンや実行計画をもつことが難しくなります。さらに、自己研鑽は、社員の個々のモチベーションや時間管理に大きく依存します。普段の業務が忙しいなかで、十分な時間を確保して学習に取り組むことは、現実的には難しい場合が多いです。その結果、学習が中断されたり、途中で挫折してしまうリスクがあります。

これらの課題を克服するためには、企業が主導してDXリテラシー研修を実施し、社員全員が必要な知識とスキルを体系的に習得することが重要です。そうすることで、社員全員が共通の言語と理解を持った上でDXリテラシーを高めることができるので、デジタル化への取り組みを一丸となって進めることができます。

DXリテラシーに欠かせないデジタル技術

DXリテラシーを高めるためには、幅広いデジタル技術の理解が必要です。実際にDXを遂行する上で活用されているあらゆる技術を包括的に学ぶことで、社員がデジタル化の波に乗り、企業の変革を推進するための力をつけることができます。

ここでは、DXリテラシー研修で特に重点を置くべき8つの主要な技術を紹介します。

DXリテラシー① ロボティクス

DXリテラシーを高める上で知っておくべき技術の1つ目は、ロボティクスです。ロボティクスは、機械(ロボット)を設計、製造、運用する技術のことを指します。人間の作業を補助または代替するために開発され、プログラムに従って複雑な作業を自動で行うことができます。

ロボティクスの技術は、センサー、制御システム、ソフトウェアなど多岐にわたる分野を統合して成り立っており、近年ではAI(人工知能)との融合により、さらに高度な自律性や学習能力を有するロボットが開発されています。

ロボティクスは、製造業の生産ラインから医療、物流、サービス業、災害対応、農業など、幅広い分野で役立てられています。例えば、製造業では、精密な組み立て作業や危険な環境での作業をロボットが担い、効率化と安全性の向上に貢献。

また、物流業界では、商品の仕分けや搬送を自動化するロボットが導入され、高速で正確な物流を実現しています。また、人手不足が問題となっている分野では、ロボットによる自動化が人的リソースの不足を補い、持続可能なビジネスモデルの構築を支援します。

ロボティクスを活用したDXは、従来のビジネスプロセスを根本から見直し、ロボット技術を取り入れることで業務の効率化、品質向上、コスト削減を実現します。

DXリテラシー② AI(人工知能)

DXリテラシーを高める上で知っておくべき技術の2つ目は、AIです。AIは、機械やシステムが人間のように学習し、推論し、問題を解決する能力を持つ技術です。この革新的な技術は、ビジネスのあらゆる側面において変革をもたらし、今ではDXの核心的な要素となっています。

AIの活用は、顧客サービスの自動化からデータ分析、製品開発に至るまで、多岐にわたる場面で役立ちます。例えば、チャットボットや仮想アシスタントを通じた顧客対応、大量のデータからのインサイト抽出、予測モデリング、さらには製品設計の最適化など、AIの応用範囲は広大です。

これにより、企業はより効率的な運営が可能となり、顧客体験の向上や新たなビジネス機会の創出につながります。

さらに、AI技術をロボティクスと組み合わせることで、自律的に動作するインテリジェントなロボットの開発が可能になります。AIによって強化されたロボットは、単純な繰り返し作業だけでなく、複雑な判断を必要とするタスクもこなすことができ、これまで人間にしかできなかった作業の一部を代行することも可能になっています。

AIの進化は、企業がDXを推進する上で欠かせない要素となっており、AI技術の理解と適用は、企業が持続可能な競争優位を築くための鍵となります。

DXリテラシー③ クラウドテクノロジー

DXリテラシーを高める上で知っておくべき技術の3つ目は、クラウドテクノロジーです。クラウドテクノロジーとは、インターネットを介してサーバ、ストレージ、データベース、ネットワーキング、ソフトウェアなどのコンピューティングリソースを提供する技術です。

従来は個々の企業が自社内に物理的なサーバやデータセンターを持ってITインフラを構築していましたが、クラウドテクノロジーを利用することで、これらのリソースをインターネット経由で必要に応じて利用できるようになります。

例えば、クラウドを基盤としたビジネスアプリケーションの導入により、顧客データの一元管理や分析が容易になり、顧客体験の向上を実現できます。また、クラウド上での新しいサービス開発やテストは迅速に行うことができ、市場への展開スピードを格段に上げることが可能です。

さらに、クラウドテクノロジーは新たなビジネスモデルの創出も可能になります。例えば、サブスクリプションベースのサービスや、クラウド上で提供されるソフトウェア(SaaS)などは、クラウドテクノロジーを活用したビジネスモデルの代表例です。これらのモデルは、顧客のニーズに応じた柔軟なサービス提供を可能にし、ビジネスの成長を支える重要な要素となっています。

DXリテラシー④ VR/AR技術

DXリテラシーを高める上で知っておくべき技術の4つ目は、VR/AR技術です。VR(バーチャルリアリティ)技術は、完全な仮想環境を作り出し、ユーザーに没入感のある体験を提供します。

一方、AR(拡張現実)技術は、現実の世界に仮想の情報やオブジェクトを重ね合わせることで、現実世界を拡張します。これらの技術は、ユーザーの視覚や聴覚に直接作用し、現実世界では不可能な体験や、よりリッチな情報提供が可能になります。

例えば、不動産業界では、VRを使って物件のバーチャルツアーを提供し、顧客が実際に訪れることなく物件を体験できるようにしています。教育分野では、ARを活用して教材にリアルタイムの3Dモデルや追加情報を表示し、学習体験を豊かにしています。

また、小売業界では、ARを使ったバーチャル試着室で、顧客が実際に商品を試着することなく、商品を体験できるサービスが提供されています。

VR/AR技術により、企業は従来のビジネスプロセスを根本から見直し、顧客ニーズに応える新しい価値提案を行うことができます。また、VR/AR技術を活用することで、デジタルと現実世界の境界を曖昧にし、より革新的で魅力的な体験を創出することが可能になります。

これにより、企業はデジタル化の波に乗り、競争優位を確立することが可能になります。

DXリテラシー⑤ 5Gネットワーク

DXリテラシーを高める上で知っておくべき技術の5つ目は、5Gネットワークです。5Gネットワークは、第五世代の移動通信システムを指し、従来の4G/LTEに比べて大幅に通信速度が向上しています。

この高速通信は、大容量のデータ転送や低遅延性を実現し、多くの新たなデジタルサービスやアプリケーションの展開を可能にします。

例えば、スマートシティの構築においては、交通システムの最適化、エネルギー管理の効率化、公共サービスの向上などに貢献。また、製造業においては、リアルタイムでの機械間通信を活用した自動化や、遠隔地からの精密な機械操作が可能になります。

医療分野では、遠隔診療や手術のサポート、リアルタイムでの健康データのモニタリングなど、より高度な医療サービスの提供が期待されています。

5Gネットワークの普及は、DXの推進においてキーテクノロジーの一つとなり、企業や社会全体のデジタル化を加速させる重要な役割を担っています。これにより、よりスマートで効率的な社会の実現が期待されています。

パソナグループのDX研修プログラム

DXリーダーズプログラムとは

弊社では「DX人財を10,000名育成する」という野心的な目標を掲げています。DXは単なる技術的な挑戦ではなく、全ての働く人々に「もの創りや協働の楽しさやワクワク感」をもたらす革新的な方法論です。このビジョンを実現するため、技術とニーズを結び付け、新しい価値をデザインする3か月間の企業間交流型プログラム「DXリーダーズプログラム」を開催しています。

パソナデジタルアカデミーが提供する学びで大切にしていることは、潜在的なニーズや課題を顕在化させていくプロセスです。そのためDXリーダーズプログラムは、デジタル技術の理論だけでなく実践的な学習に焦点を当てており、参加者が新しい考え方を実業務にどのように応用できるかを学ぶことができるようになっています。

この研修を通じて、従業員はDXリテラシーを身に付け、自社のデジタル変革を推進するための実践的な能力を強化することが期待されます。

DXリーダーズプログラム受講のメリット

DXリーダーズプログラムは、DXを推進できる人財を育成することを目的とした、実践型の研修プログラムです。このプログラムを受講することで、参加者はDXの基本から応用まで、幅広い内容を約3か月間で継続的に学ぶことができます。

チームでのワークショップを中心に、必要なマインドやスキルを学び合うことで、DXのエバンジェリストとしてリーダーシップを発揮するための基盤が築かれます。

①ビジネス変革
受講者はユーザー視点を備え、ビジネスアーキテクチャやエコシステムの変革をデザインできる創造的な課題解決力を習得します。これにより、顧客ニーズに対応した革新的なサービスや製品を開発し、市場での競争優位を確立することが可能になります。

②コラボレーション
異なるバックグラウンドを持つ他者と対話し、共創する過程で、リーダーシップやファシリテーション力が養われます。この能力は、チーム内での行動変容を促し、プロジェクトを成功に導くために不可欠です。受講者は、効果的なコミュニケーションとチームワークを通じて、共通の目標達成に向けて仲間と協力する方法を学びます。

③AI・データ活用
AIやデータに関する最新のトレンド、取得手段、法律関連、個人情報保護などの知識を深めることで、ビジネスデザインに活かす力が身につきます。この知識は、データドリブンな意思決定を行い、AI技術をビジネスプロセスに統合するための基盤となります。

DXリーダーズプログラム受講者の感想

1人ではなく仲間と共に学べば、自分の思い込みを次々打ち破れる
阪急阪神不動産株式会社 DX推進部

3年間、人事部で能力開発を担当していたので、DXについての概要は分かっていたのですが、今日一日で、「知っていることと、できる」、「できることと、使える」は、全然違うとわかりました。この機会に、自分の思い込みを覆せたらいいなと思います。

1人で黙々と勉強するのではなく、参加者10名の方と出会ったので、このメンバーと一緒にワークをしながら、「自分の思い込み」や「知っていたつもり」、「わかっていたつもり」を次々と打ち破っていきたいです。最終的には、アルムナイ同士で、共に考え続ける関係性を作っていきたいです。

頭でわかっていても難しいことをワークショップで実践でき、有意義な時間
日本マイクロソフト株式会社 インフラストラクチャ&サービス営業本部

前職は、データサイエンティストで、データを使ってどうビジネスを変えていくか?に取組んでいました。今は、自社のソリューションを使って、お客様のDXをどう加速させるか?に取組んでいます。そうなると「データ」や「自社のソリューション」を使って、どんなことができるか?というスタートになってしまいます。

ですが、今日学んだことは、「お客様がどんなことをなし得たいのか?」からスタートしましょう!ということです。データや何を使うかはもっと先の話で、何をしたいか?そのために何が必要か?さらには、どういう機能が必要か?落とし込んでいく必要があるということです。改めて、頭では分かってことをワークショップで実践できました。今後の私の仕事に非常に役立ちそうで有意義でした。

DXリーダーズプログラムを体験してみよう

DXリーダーズプログラムを受講することで、参加者はデジタル時代における革新的なビジネスモデルの構築、チーム内外での効果的なコラボレーション、そしてAIやデータを駆使した戦略的な意思決定能力を身に付けることができます。

これらのスキルは、DXの推進において中核となる要素であり、受講者が自社のデジタル変革をリードする上で強力な武器となります。DXリーダーズプログラムに興味をお持ちの企業様は、ぜひ以下のリンクから詳細をご覧ください。

パソナデジタルアカデミー編集部

当サイトの執筆者はパソナデジタルアカデミー編集部のメンバーです。DX人材育成を掲げ、社内外で研修を行いながら最新情報を発信し、お役立ち記事を提供しています。また、プログラムの営業も日本全国で積極的に行っています。

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