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DX事例
【研修実例】生成AI研修を通じ、社員によるアプリ開発が進む

今や生成AIは多くの企業や個人に利用され、創造的な解決策を提供するツールとして、今後の企業成長に欠かせないものとなっています。生成AIを活用したサービスが新規創出されるなど、生成AIを業務やビジネスへの応用する方策は各企業の課題といえるでしょう。
あわせて課題となっているのが、社員に実施する生成AI研修です。生成AIの技術進歩は早く、概要やプロンプトエンジニアリングを学ぶだけでは、生成AIの活用可能性を最大限に引き出すことは難しいです。生成AIの可能性を引き出し、自社のビジネス変革に繋げるには、社員はどのようなスキルを身に付ければよいのでしょうか?
そこで今回は、パソナグループが社内で行っている生成AI研修について紹介します。「生成AI研修を検討している」「DX研修の必要性を感じている」とお考えの企業ご担当者様の参考にしていただける情報をまとめました。
毎年異なる最先端のテーマで、社員が学ぶ場を提供
パソナグループのDX戦略では「社内外で10,000名のDX人財を育成する」と宣言しています。グループ社員に対しては2021年より、DXの推進役となれるよう新たな職業能力の開発を目的とした、全社横断的研修「リスキリング・イニシアティブ」を毎年開講しています。
これまでの受講生は140名以上に上ります。毎年異なるテーマで最先端を学ぶ場として、毎年定員以上の社員から応募が集まるほど、社内で注目されている研修です。
2024年度は「より身近になったデジタルで、可能性が広がる豊かな社会」をテーマに掲げ、6ヶ月間の生成AI研修を実施。一般社員から部長・役員クラスまで計26名の受講生がグループ各社から集まり、生成AIの利活用スキルやデジタルマインドセットを中心に学びました。
生成AI利活用スキルを現場で実践するには?
研修を研修で終わらせず実践に繋げることは、研修実施において重要視するポイントの1つでしょう。私たちも、研修の枠を超えて学びが実践されることを目指してリスキリング・イニシアティブ実施しています。
実際に、これまでのリスキリング・イニシアティブで開発したいくつかのデジタルサービスは、現在も社内で利用されています。そして今回の研修では、社員が抱える業務課題を解決するアプリを生成AIを活用して自ら開発し、リリースすることをゴールとしていました。
実際に現場で利用されるアプリの開発を目指し、6ヶ月間の研修は大きく2つのフェーズに分けました。
①課題設定
まずは、課題を正しく認識するデザイン思考や、開発をスムーズに進めるためのプロジェクトマネジメントといった、理論的な部分を学びました。その後、受講生を6つのチームに分け、身近にある様々な業務課題を洗い出します。
このフェーズはよくアイデアソン*1と言われます。作りたいアプリを作るのではなく、いまパソナグループに必要なものが何か?という視点を持って、生成AIを活用してこそ解決できる課題を各チーム1つずつ、設定しました。
②開発
今回はMicrosoftのPower AutomateとPower Appsの環境でアプリを開発しました。ハンズオン*2研修でローコードツールの自動化やアプリ開発のスキルを身に付け、アプリで課題解決を具体化する力を養いました。
研修期間中には2泊3日のハッカソン*3合宿もはさみながら、各チームがアプリ開発を進めていきました。
*1アイデアソン:参加者が集まり、特定のテーマについて自由にアイデアを出し合い、課題解決や新しい価値の創造を目指すイベントやワークショップ
*2ハンズオン:実際に手を動かして体験しながら学ぶ形式の学習や研修
*3ハッカソン:参加者が集まって、短期間でチームを組み、プログラムやサービスなどの作品を集中的に開発するイベント
非IT社員も、自社のDX推進に貢献できる
6ヶ月間の研修終了後、BPO(業務委託)領域の提案書レビューアプリや、営業職社員のコミュニケーションサポートアプリなどが、実用化プロジェクトとして始動。グループのDX部門を巻き込み、社内で活用できるアプリのリリースを実現できました。
今回ご紹介したのは、社内のリスキリングにより非ITの社員が生成AIの開発を学び、実際にアプリを作り始めている実例です。この事例を踏まえると、生成AIの可能性を引き出し、自社のビジネス変革に繋げるためには、作り方や使い方のみを学ぶのでは不十分で、開発に必要なビジネススキルも磨いていく必要があることがわかりました。
パソナデジタルアカデミーでは、このような研修ノウハウを活用し、お客様向けの研修を常に開発中です。企業のDXを推進するべく、最先端を学べる場を提供していますので、まずはお問い合わせくださいませ。
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